リサーチアンドソリューション

 
候補者の選考(採用・選抜) | 個人能力の開発 | キャリア開発 | 組織開発


企業の成長にとって優秀な人材の確保とその育成は、欠かせないものです。昨今では、学業成績に加え、 各種学力テスト、論文、グループ・ディスカッション、他段階面接など多面的な手段を活用して人材を選ぶ企業が 増えています。しかし、企業が欲する人材を短時間で見極めることは、多くの経験を積んでも難しく、企業の歴史の 長短に関係なく、客観的かつ合理的な考えを導入することが望まれています。

新卒者は、ビジネス経験がほとんどないため、一般に性格とマインドを中心に適性を判定することになります。 標準的な職務テンプレートを適用することは、必ずしも理に適っていないため、下図に示す手順で採用のための カスタム・テンプレートを作成して適用し、経年的に充実させる方法が有効です。この手順で職務適性を判定し、 「メイングラフ」や「特性階層レポート」を見て、その人の深層的な心理部分を解読します。その結果を面接質問で 確認すれば、理に適った運用が整います。また、プロファイル分析結果を、翌年の配属に利用することも可能です。





T社は、今年度採用内定を予定している15名の技術系社員の選定と昨年内定し、今年入社した14人の 技術系希望者の配属をHarrison Assessmentsの支援を得て決定することとしました。予算の関係と初めて Harrison Assessmentsの職務適性スコア等を活用することから、Harrison Assessmentsを適用するのは 二次選考に残った24名から15名に絞り込む段階で適用し、今年入社した技術者の配属は、本人希望と Harrison Assessmentsによる適性判定に基づくこととしています。なお、配属は、プランニング系5名、 デザイン系7名、IT系2名と決定しています。事前に役員、部長、人事担当者約20名による重要特性調査を行い、 採用テンプレートをベースとして配属テンプレートを作成し、判定することにしました。



重要特性調査の結果、採用に関しては、必須、望まれる特性が、それぞれつぎのとおり決定しました。
 必須の特性 :チャレンジ願望、熱意、正確性、自己改善性、率直性、創造的思考性、粘着性、論理性
 望まれる特性:率先性、系統的思考性、プレッシャー耐性、計画策定性、規則遵守性、礼儀性、迅速性
また、配属のための技術系別の特性は、説得性、自己確信性、整然性、コンピュータへの興味が上述の特性と 入れ替わるとともに、重要度順位の変更で策定することとなりました。



対象者24名の、重要特性を取り込んだ新卒採用テンプレートを使って求まった職務適性 スコアと一貫性スコアは、右表に示すとおりです。なお、第二次選考段階で選ばれた人たちは、 職務適性スコアが59点以上であり、それまでの学業成績、基礎学力テスト、作文などの技術的 な能力を満たし、しかも経歴の判断、グループ面接の評価、個人面談の評価が適切であったこと を裏付けています。その過程における職務適性スコアと一貫性スコアから技術系新入社員としての 適性を4ランク(◎、○、△、×)に分類しました。 その結果、◎が6名、○が6名、△が8名、そして×が4名となりました。同結果を参考情報に、 インナビューのメインレポートやメイングラフなどを基に最終役員面接を行い、 15名が採用内定しました。

昨年度採用試験を受けた新入社員の配属先を決定するにあたり、本人の卒業論文等を参考に面談 で希望を調査し、会社の要望との調整を図ったものです。同社においては、昨今のキャリア開発に 対する学生の意識が高揚していること、配属のミスマッチが離職や転職の重要要因となっていること から、配属の決定支援にもインナビューを適用することとなったものです。 3つの系の適合性を調べた結果が下表で、それによると、本人の希望する系と最も適合性スコアの 高い系が異なる人が14人中で5人います。そのうち希望する系での成功確率が高い4人 (A,B,G,M)は希望どおり配属し、大きく乖離するEと適合性スコアが低いIの2名について、 希望と異なる系へ配属することとなりました。




昨今わが国にもその概念が浸透し始め、組織団体も設立され、資格試験も行われようとしている プロジェクト・マネジャー(PMr)のニーズが日増しに高まっています。国際規模のPM組織が協力し、 PMコンピテンシーに関するグローバル・スタンダードを構築すべく鋭意努力を重ねています。 そこでは、下図に示すように、PMに関する基礎知識体系を知識エリアにして、それを使いこなす人のレベル (PMrコンピテンシー)と組織全体の実践レベル(CMM:能力成熟度モデル)のトライアングル構造で統一を 図っています。このPMrのコンピテンシーとして、Frank Toneyは、下表に示すように3つのカテゴリーに分け、 要素を提案しています。特定の任務を務めるプロフェッショナル性は、ほかにもISO9001などの国際規格の認証の 取得と運用を促進する人、ナレッジ・イネーブリングを務める人など、チームあるいは組織の成功にとって不可欠な 要素であるため、その重要性がますます高まっています。





新規事業プロジェクトの立ち上げに伴い、そのリーダーの職務要件(適格性と適合性)を明らかにし、 資格・経験等の適格性の合格者から、最も任務適合性の高い人材をプロジェクトリーダーに選抜します。


新規事業プロジェクトのリーダーは、既成の事業と異なる能力を必要とするため、経営層および技術部門長を対象に 重要特性調査を行い、新事業リーダーに必要な能力要素を抽出しました。そのうちの経験、資格、業績を基に第一次の 選定で4人を選び、次図に示す手順で職務適合性を調べ、リーダーを決めることになりました。



新規事業開発のプロジェクト・リーダーに必要な行動特性に関する重要特性調査で求まった必須、望まれる、 そして避けるべき特性は、次表のとおりです。




4名の特定任務への適合性スコアは、下図に示すとおり、A氏85%、B氏53%、C氏35%、D氏67%であり、 技術力、経験、そして資格に大差がなかったため、適性スコアが最も高いA氏を選抜することに決定しました。


A氏 B氏 C氏 D氏



企業は、コンピテンシー重視型の昇進・昇格等人事を推進することで、持続的な改善が可能な体質へ変身可能です。
 @社員一人一人のコンピテンシーをデータベース化しておく。
 A各職務のコンピテンシー・モデルを明確に構築する。
 B現在の職務において基準を超える業績を上げている人を昇進・昇格させる。
 Cコンピテンシーに基づく入学方式による昇格を基本に人事システムを構築する。
 D特定任務に対する適格者の選定が今後重要となるため、その基準との整合を図っておく。



既に50年程度の歴史を有するS社では、技術系部長職の役職定年制(部長職55歳)に該当する人が今年新たに 3人生まれます。75以上の業績ポイント獲得者が、次長職を卒業できる有資格者であり、それをクリアしている人 が11人います。この中から、部長職としての職務適性、一貫性、そして年齢を勘案して3人を選ぶことと なりました。年齢は、部長職の役職定年55歳を考慮し、50才以下としています。



昇級/昇格の考え方や基準は企業によって異なりますが、現職務において自己のコンピテンシーをどの程度発揮 しているか、すなわち卒業合格点を取得しているかどうかと、上位の等級や役職に求められるコンピテンシーを どの程度備えているか、すなわち入学要件を満たしているかが基本的に採用されています。 したがって、卒業基準に対しては、社内の業績考課システムが使用され、入学基準に対しては能力考課システムが 使われます。今回の昇級/昇格者の選定におけるHarrison Assessmentsによる支援のプロセスは、下図に示すとおりです。







11人の候補者の現等級における業績評価点(卒業合格点75点)は、75点から78点と差が小さく、 決め手となるスコア差ではありません。上位資格での職務適性を判定した結果、適性であるという75点 を超えた人が、5人いました。また、50歳以下という年齢条件は、全員がクリアしています。さらに、 論理性、説得性を重視される技術系の部長職を対象とした昇進者の選定であることから、70点以上の 一貫性スコアを確保できていることという条件が役員会で急遽追加されました。 その結果、一貫性スコアが100で適性スコアが88点、85点であるC氏、D氏については、 役員全員の賛成でつぎのステップへ歩を進めました。F氏とH氏も合格条件を満たしているため、 適性スコアの高いF氏と一貫性スコアの高いH氏がともに若手のホープとして、つぎの選抜試験に 歩を進めました。



 


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